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そして誰も観なくなった

重政隆文 著

四六判/127×188mm/450頁

上製本/2008年

AD+D+DTP:松本久木+大久保篤


絶対映画館主義!

「映画館〈やみ〉の中に映画〈ひかり〉がある」と言い続ける著者が、代用品の氾濫で倒錯された、光と闇の時間と空間の認識を問い質す。絶対映画館主義者による究極の「館」本。

私はこの度の拙著で、ビデオやDVD一部許容派を映画館主義者に引き戻そうとは思っていない。無理である。しかし、個人的にあちら側に行くことには抵抗する。隠れキリシタンのように、世を忍ぶ仮の姿で細々と主義を通している主義者が、少なくともそのまま主義者でいられるようにとの祈りで書いている。 シネマスコープの映画をレンズ間違いでひしゃげた映像のまま、観客、すなわち私が指摘するまで平然と上映を続け、映画が終わった後、お詫びの言葉もなく、こちらが文句を言うと平然と「自動になっていて、映写技師はいません」と言う、とんでもない映画館が現在もぬくぬくと営業をしている。このようなひどい状況であっても、私はビデオやDVDでは映画を見たくない。個人的に働きかけて映画館環境整備に精出すだけである。 死ぬまでの残り数十年、映画館でしか映画を見ない人間が、少なくとも一人いることをここに記しておく。(本文より)

しげまさ・たかふみ
1952年生まれ/大阪芸術大学芸術学部教授。専門は映画・演劇。映画館主義者/日本映像学会会員/映画研究誌『FB』同人。現在、年に2回大阪近辺のミニシアターに出没するフリー・マガジン『劇場分子』と、国書刊行会発行の『映画論叢』に連載を持つ。


ISBN 978-4-944055-42-5
定価

2,860円(本体2,600円、税260円)

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