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言語と人間性

コンフリクト社会に見る言語行為と多言語

Sprache und Conditio Humana

Sprachhandlung und Mehrsprachigkeit in Konfliktgesellschaften


責任編集:アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ 編集補佐:テレーザ・シュペヒト

著者:アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ、木戸衛一、佐島 隆、テレーザ・シュペヒト、横井敏秀

四六判/128×188mm/352頁

上製本/角背/ジャケット箔押し・浮き出し加工/本文2色/2015年

日独語完全バイリンガル

AD+D+DTP:松本久木


本書では、「社会的対立は、言語行為との関連の中でみられなければ、解決され得ない」という洞察を基礎として、社会コンフリクトと言語の関係を明確にする。そして日本における、言語政策とナショナリズムとの強い結びつきや、英語帝国主義にも着目し、そこに共通する言語との関係性をも解明しようとする。言語を、社会的対立に付随するものではなく、社会的対立の発生そのものとして捉えること、すなわち、社会的対立についての視点を転置することを通して、私達の日常言語に対する意識を刺激し、意義を唱え、代替解釈を促し、問い直すことを目的としている。
Langwierige soziale Konflikte gravieren sich mit methodischer Genauigkeit und überschwänglichen Details auf die Gebrauchssprachen der beteiligten und betroffenen sozialen Gruppen. Selbst wenn sie augenscheinlich nicht linguistischer Natur zu sein scheinen, sind sie doch in jedem Stadium ihres Formierungs- und Entwicklungsprozesses linguistisch kodiert. Das Phänomen des sich-Einschneidens der sozialen Konflikte auf die Gebrauchssprache aller betroffenen Parteien ist kein bloßer Satz von Spuren irgendwelcher sozialrelevanten Ereignisse oder Zwischenfälle, sondern die Entstehung und Entfaltung des Konfliktes personaliter. Als der Modellfall par excellence für diese Gegebenheit kann der sogenannte ‚türkisch- kurdische Konflikt‘ betrachtet werden.


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アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ
社会的葛藤と言語行為──人間性の再マッピング

テレーザ・シュペヒト
ドイツ語における「クルド人」の言語的標識化──無視と犯罪化の狭間で

横井敏秀
日本における「英語帝国主義」批判について──その意義と陥穽

木戸衛一
「一つの民族、一つの国家、一つの言語」?──日本の国語イデオロギーに関する考察

佐島 隆
言語の使用とアレヴィー認識をめぐるコンフリクト

Abdurrahman Gülbeyaz
Sprache und Sozialkonflikt: Eine Neukartierung des Sozialen

Theresa Specht
Sprachliche Markierungen der ‚Kurden‘ im deutschsprachigen Kontext: Zwischen Nichtbeachtung und Kriminalisierung

Toshihide Yokoi
Zur Kritik am ‚Sprachimperialismus des Englischen‘ in Japan: Ihre Bedeutung und die darin liegenden Gefahren

Eiichi Kido
„Ein Volk, ein Reich, eine Sprache“ ?: Betrachtungen zur Nationalsprache-Ideologie in Japan

Takashi Sashima
Sprachgebrauch und Konflikt in Bezug auf das Verständnis der Aleviten

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言語の使用は、暴力的行為に付随したり、事後にそれを正当化したりするだけでなく、その行為の決定的な下準備をしているのである。言語はコンフリクトを発生させる場所であり、そのコンフリクトは続いて暴力行為として表面化するのだ。 この洞察の理論的土台は、アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズによる論文の導入部で作られている。そこでは、根本的に異なるパラメータを基盤として、社会性の再マッピングが行われる。広範囲に渡る議論の中で、彼は言語と社会的紛争の基礎的な連関を明示し、異なるコンテクストからの顕著な例を用い、論を結んでいる。それに続く私の寄稿では、クルド戦争(特に2014年秋に勃発した一連の事件)に関するメディア報道やドイツ連邦政府の公式声明を具体例に、言語的表現を通して作られた既成事実─例えば前述の殲滅戦争におけるドイツの非介入─が、政治的行動および決断を弁明するために、どのように用いられるかを実証する。 引き続いて、横井敏秀による寄稿では焦点を日本に移し、日本における英語帝国主義批判を、徹底的な議論の中で考察する。そこでは、英語に関して示される、言語の政治的、暴力的な面に対する非常に鋭敏な批判の動きが、問題が日本語になるとこの鋭敏さを失い、さらには自身がナショナリズムに陥るさまが明らかにされている。日本の言語政策とナショナリズムの強い結びつきを、木戸衛一の寄稿も明確にしている。彼は、日本における国語イデオロギーについて、日本の近代化以降現代に至るまでを観察し、多数の例を元に論評し、論証する。佐藤隆による結びの寄稿では、再びクルド関連の文脈およびトルコへ視線が向けられる。言語使用の具体例を通じて、アレヴィーの理解にまつわる緊張とコンフリクトを明確に示している。[…]
本書の目的は、コンフリクト社会についての考究の観点および立場を転置することにより、コンフリクトの言語性、すなわち社会的葛藤に関する我々の日常言語の基礎機能を鋭敏にさせることである。(テレーザ・シュペヒト「あとがき」より)

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アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ──1962年、トルコ・イスケンデルン生まれ。大阪大学言語文化研究科准教授。トルコのガージ大学、ボスフォラス大学、ドイツのハンブルグ大学で言語学、音楽学、医療社会学を専攻。大阪大学人間科学研究科にて、「言語と音楽における意味:言語行為と音楽行為における変形過程」で博士号取得。記号論、言語学、哲学が主な学際的研究分野となる。

木戸衛一──1957年、千葉県柏市生まれ。大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授。1981年東京外国語大学ドイツ語学科卒業、1983年東京外国語大学大学院地域研究研究科修了、1988年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学、2009年ベルリン自由大学で学位取得。専門はドイツ現代政治・平和研究、研究テーマとして歴史認識および軍事化の日独比較。

佐島 隆──1954年、岩手県江刺市(現奥州市)生まれ。大阪国際大学国際教養学部教授。東北大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。文学修士。日本学術振興会特別研究員、日本学術振興会派遣研究員(アンカラ駐在)、大阪国際大学人間科学部助教授、国際コミュニケーション学部教授を経て現職。研究対象地はトルコ、トルコ系移民のヨーロッパ、日本。また、20年以上にわたるアレヴィーやベクタシの人々の調査などを行っている。

テレーザ・シュペヒト──1979年、ドイツ・ヘクスター生まれ。大阪大学大学院文学研究科・文学部特任講師。ライプツィヒ大学ドイツ文学研究科博士課程修了。文学博士。ライプツィヒ大学文学部助教を経て現職。これまでの研究テーマ「トルコ・ドイツ文学におけるトランス文学的ユーモア」(博士号取得)。現在の研究テーマ「ドイツ語圏におけるクルド移民文学の現状」。

横井敏秀──1956年、兵庫県神戸市生まれ。 大阪大学外国語学部トルコ語専攻非常勤講師。北海道大学大学院文学研究科修了。富山国際大学現代社会学部准教授を経て現職。専門は社会学説史。特にフランスにおける近代社会学の定礎者エミール・デュルケームの社会変動論および国民国家観をテーマとする。また、デュルケーム社会学のトルコ(オスマン帝国)への影響についても考究している。













 


ISBN 978-4-944055-71-5
定価

4,104円(本体3,800円、税304円)

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